俺だけ見てろよ~御曹司といきなり新婚生活!?~
それから二十分。
高層ビル街から少し離れ、大通りから一本入ったところにある『フルジェンテ』というイタリアンレストランに到着した。
「えっ、こんなところ?」
「あれ、不満?」
「違いますよ。飲みに行くなんて言うから、居酒屋にでも行くのかと。こんなに高いレストランだと思ってなくて……」
だってこのレストラン、超高級店なんだもの。
おごってもらうのにも限度というものがある。
とはいえ自分では払えそうにないし……。
「だから気にするな。このレストラン、気に入ってるんだ」
彼がドアを開けてエスコートしてくれるので、恐る恐る足を踏み入れた。
すると大理石の床にきらびやかなシャンデリアが視界に入る。
だけどギラギラしているわけではなく落ち着いた雰囲気で、お客さんは皆、紳士淑女という感じ。
ワイングラスを傾けながら談笑している。
おどおどしながらウエイターが引いた椅子に座ると、渡会さんも向かいに座った。