俺だけ見てろよ~御曹司といきなり新婚生活!?~
「もっと増やしていけるといいんですけど、利益につながらないから難しいですね」
ずっと思っていたことをボソッとこぼすと、「やってみろよ」なんて言う。
「えっ?」
「今度の企画会議に、高遠がやりたい企画を提案してみろ。俺ものる」
渡会さんは優しく微笑み、シャンパンを再び口に運んだ。
「渡会さんが?」
「あぁ。高遠がやりたいのは、一般的に売られている文具を使いにくい人に向けた、ちょっと特殊な文具だろ?」
「はい」
その通り。あのボールペンで気づいたのかな。
「俺も賛成。利益は少なくても、この業界をけん引していくメーカーならやるべきだ」
彼からお墨付きをもらえるとは思っていなかったのでテンションが上がる。
「はい。企画書、書きます」
「うん」
大きくうなずいてもらえて心が弾んだ。
それから見た目も鮮やかな前菜が運ばれてきて、ちょっと緊張してしまった。
普段、こんな素敵なお店で食事をしたりしないから。
「ほら、食べて。このチーズは絶品だぞ」
「はい」