忘れられないひと【完結】




優紀が私の代わりにいっぱい泣いてくれている気がする
そんな、親友の姿に私の気持ちは楽になっていく



「新しい恋しようかな?
出来るかな?」

「うんうん!紗也ならすぐだよ!モテモテじゃん?
なんとか部長は?イケメンなんでしょ?」


優紀は涙を拭いながら笑ってくれる
身体を前にぐいっと乗り越えて来そうなほど
そんな、優紀の姿に私も笑顔になれる


「モテないよー!
部長はからかってるだけよ
でも、部長は兎も角として新しい恋、ちょっと頑張ってみる」

「じゃあ!合コンね!紗也が来るならきっといい男揃うよ!」

「合コンって………それさぁ、卓也さんにちゃんと許可もらってんの?
私、知らないよ?」

「それは、大丈夫よ!
紗也の為なら!」


本当かなあ
私の為ならって…………
そもそも卓也さんが合コンにOK出すなんて信じられないんだけど

優紀のニコニコ嬉しそうな顔にそっと息を吐いた


一年経って漸く吹っ切れた気がする
優紀に言って、過去にすることが出来たのかも

したくなかったのかも知れない
恭介さんとの別れを受け入れたくなかったんだ

優紀の話してしまうと今の現実を受け入れないといけないから
やっと、一年経って私も………


私にとって、恭介さん以上の人が現れるかはわからないけど
でも、忘れないと

思い出に変わるように
これが今の私の気持ち



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