柏木くんにはヒミツがある。


***

「か、柏木くん、すごいね、君ってあんな風に目力で人を萎縮させることが出来るんだね」

「目力って……もっとカッコいい言葉ないの?」



速足で廊下を歩いていく私達が向かっているのは保健室だ。

理由は簡単。着替えを求めに行くんだ。



「が、眼力?」

「ふは、あんまりカッコよくないねー」



私は今、水をモロにかぶってびしょ濡れなのだけれど、そんなことより、そんなことよりっ。

柏木くんのブレザーを羽織っているせいで、私は今とても死にそうなんだ。

だって、だって、匂いが。
柏木くんの匂いな包まれているような気分なんだ。


そんなことに一々ドキドキしてしまう私。

やばいなー、これじゃあただの変態だよ。



「か、柏木くん、今私の心の声、聞こえないよね?」



ドキドキしているのがバレたらたまったもんじゃない。

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