柏木くんにはヒミツがある。
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「か、柏木くん、すごいね、君ってあんな風に目力で人を萎縮させることが出来るんだね」
「目力って……もっとカッコいい言葉ないの?」
速足で廊下を歩いていく私達が向かっているのは保健室だ。
理由は簡単。着替えを求めに行くんだ。
「が、眼力?」
「ふは、あんまりカッコよくないねー」
私は今、水をモロにかぶってびしょ濡れなのだけれど、そんなことより、そんなことよりっ。
柏木くんのブレザーを羽織っているせいで、私は今とても死にそうなんだ。
だって、だって、匂いが。
柏木くんの匂いな包まれているような気分なんだ。
そんなことに一々ドキドキしてしまう私。
やばいなー、これじゃあただの変態だよ。
「か、柏木くん、今私の心の声、聞こえないよね?」
ドキドキしているのがバレたらたまったもんじゃない。