ブライダルベールの花籠を君に【短編集】
3
星を数えていた。~彩side〜



___死んだ人はね、星になるんだよ。



昔聞いたこの言葉を、何回思い出したことだろう。

そして、竜也は星空を見る度に、何を思っていたのだろう。

彼は確かに、星を見る度に、悲しそうな顔をしていた。

私には、竜也の心中を察することは出来ても完全に理解することは出来なかった。

だけど。今なら、分かる。

亡くなってしまった人を思い出して、懐かしむのも。

悲しむのも。



時折、竜也が浮かべていた優しい笑顔。

それは、きっと。

死んでしまった人を思い出して、過去を慈しむように、愛でていたのだろう。

今なら。失ってしまったあとなら、分かる。

だけど、もう。失ってしまったから。きっかけがないと理解することは出来ない。

だけど、そのきっかけは。引き金は君で。


やっと理解することが出来たのに、理解した時にはもう、一緒に話すことが出来る人は居なくなってしまったんだ。


だけど。


もう一度、星空を見上げる。

君がいなくなってから初めての冬。

街灯が周りに無く、空気が澄んでいる冬の空に無数の星達はとても眩しく。

綺麗な宝石のようだった。

星の光は、過去の光。

私たちが生きているのは、今の話。

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