海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!

 どうにもこうにも落ち着かなくて、身をよじって、両足をバタつかせた。
「エレン、いいからおとなしくしているんだ」
 ピシャリと告げるアーサーさんの声が、なんだか怖い。チラリと見上げたその目も、これっぽっちも笑っていない。
「ハイ」
 私は一転、借りてきた猫に変身した。
 アーサーさんはすっかり静かになった私を抱き、船内を大股で進む。そうして船長室までやって来ると、器用に私を片腕に抱き変えて、空いた手で扉を開ける。
 そのまま広くもない室内を大股で進み、奥の寝台に私を座らせると、
「うわぁっっ!?」
 問答無用で私のシャツをひんむいた!
「なにすんだよっ!?」
「手当てだ」
 おお! なるほど手当てか!
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