愛したい、愛されたい ─心を満たしてくれた君へ─
「今日は土田さんじゃないんですか?」

「土田さんは娘さんの出産で再来週からお休みする予定だったんですが、昨日の夜に予定より1か月も早く出産されたので、急遽今日から休暇に入りました。代わりに9月中旬まで私が三島さんのお宅の担当をすることになりましたので、よろしくお願いします」

「そうですか……。こちらこそよろしくお願いします」

娘さんがもうすぐ出産することや、産後の手伝いのために仕事を休む間は別の家政婦が来ることは、土田さんから聞いていたので、事情はすぐに把握できた。

しかし若い女性が来たのは予想外だったので、少し戸惑ってしまう。

宮本さんは家の中に入るとまずは脱衣所で洗濯物を仕分けて洗濯機を回した。

道代さんや土田さんに家事をしてもらっていたときには気にならなかったのに、今初めて会ったばかりの若い女性に、自分の脱いだ下着を洗濯されているのだと思うと急に気恥ずかしくなってきて、勉強が手につかない。

リビングにやって来た宮本さんは掃除機の場所を俺に尋ねた。

掃除機のしまってある場所まで案内すると、宮本さんは俺を見てニコッと笑う。

「ありがとうございます。えーっと……お名前は確か……」

「潤です」

「そうそう、潤さん。高3の受験生ですよね」

「はい」

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