というわけで、結婚してください!

 どうやら、秀と征も友人のようなのだが。

 なんだかあの顔で容赦なくやりそうだ。

 表情の動かないアンドロイドかなにかのように淡々と、
「やれ」
と言う征を思い浮かべながら、鈴が聞き耳を立てていると、

『いや~、その車、壊れてよかったよ~』
と秀が言い出す。

 その瞬間、尊が鈴を見、降りろ、と指で指示してきた。

 なんだかわからないまま、急いで鈴が降りると、秀が笑って言ってくる。

『お前がその車で逃げたってとこまではしゃべっちゃったからさー。
 早く乗り換えた方がいいぞ』

 その車、壊れてよかったよ、と秀が言った瞬間に、尊には、今、どんな事態になっているのか、理解できていたのだろう。

 だから、降りろと言ったのだ。

 鈴が、

 しかし、朝倉さん。
 拷問されてないのに、しゃべってるではないですか、

と思っている間に、尊は鈴の手首を握ると、近くに見える海沿いの小さな駅に向かって歩き出す。
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