というわけで、結婚してください!
「承知しました」
と言って、すっと執事長は消えた。

 足音しないなー。

 気配もしないなー。

 させた方がいいときはするのだろうが。

 数志さんといい、この手の職業の人は、忍者っぽいな、と鈴は思っていた。

 執事長が車の用意をすると言ってくれた流れで、今から、鈴たちが九州に旅立つことが決定事項のようになる。

 鈴は、いろんな思いを込めて、征を見上げた。

 そんな鈴を黙って見下ろしていた征だが、やがて口を開いた。

「……行ってくるだけだぞ」
と。

「まだなにもするなよ。
 お前は俺の妻なんだからな。

 戻ってきたら、三人で話し合って、はっきりさせよう」

「……もうすでになにもかもスッキリしてる気がするんですが」

「数志~っ」
と余計なことを言ってくる数志を征が睨む。
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