というわけで、結婚してください!
「それより、なんで俺が捕まる心配をする。
 お前、逃げなくていいのか。

 さっきも俺から逃げる隙があっただろ?」
と何故か怒ったように訊いてくる尊に、

「いや~、でも、山の中だったし。
 私、足、遅いんですよね。

 闇雲に逃げて、クマに襲われても嫌ですしね」
と言うと、

「俺に襲われるのはいいのか……?」
と尊は呟いている。

 いや、クマは容赦してくれそうにないけど、貴方は、なんだかんだで許してくれそうじゃないですか。

 シートに深く腰を落とした鈴は、真昼の海を見ながら呟く。

「まあ、もうちょっと付き合ってくださいよ」

「いや……、誘拐してるの、俺だからな」

 そう確認するように尊が言ってきた。
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