というわけで、結婚してください!
鈴たちの乗った車は、秘境にあるホテルに着いた。
森がひらけた場所にいきなり、古城のようなものがあり。
尊はそのホテルを今夜の宿にするつもりのようだった。
すごいホテルだな、と思いながら、後について入ると、すぐに支配人が出てきた。
体格のいい男前で、尊《みこと》より十くらい上か。
若い支配人だな、と思って見ていると、尊が、
「急に来て悪かったな」
とその窪田《くぼた》という支配人に言っていた。
さっき、此処に着く直前に連絡したのだ。
あまり早いと確認のために、本家に連絡されたりするかもしれないからだろう。
窪田は昔、清白《すずしろ》の執事長の下で働いていた男で、このホテルも清白の系列のものだと言う。
「いえいえ。
オープン前ですから、いつでもどうぞ。
まあ、中はまだ落ち着かない感じですけどね」
と窪田は後ろを振り返っている。