というわけで、結婚してください!
「だが、そんな感じの支社長だな……。
 恐ろしいな、会ったこともないのに」

 愛の力ですかね、と思ったが言わなかった。

 尊さん、会社でどんな風に過ごしてるのかな、とか。

 支社長に、いじめられたりしてないかな、とか思って、全力で尊の話を聞いているので、支社長像もそう間違っていなかったのだろう。

 そんな話をしているうちに時間になったので、鈴は尊を玄関まで送った。

「今日も遅くなりそうですか?」
と尊の身体を心配して訊くと、尊は、

「いや……できるだけ早く帰る。
 お前もひとりで寂しいだろうしな」
と言ってくれた。

 だが、
「無理しないでくださいね」
と鈴は答える。

 職場にずっと居て倒れられても嫌だし。

 早く帰るために無理して、倒れられても嫌だな、と思ったのだ。

 出て行こうとした尊の背を見つめていると、尊が戻ってきた。

 鈴の腕をつかみ、そっとキスしてくる。
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