というわけで、結婚してください!
 ええ、夢ですから、と思いながら、鈴は続ける。

「オフィスの中は、真っ暗なんですけど。
 窓から見える博多の夜景が、すごく綺麗なんですよ」

「本当に綺麗だぞ。
 今度近くまで来てみるか」
と言われ、ありがとうございます、と鈴は微笑む。

「で、此処にも幽霊が出るんですよ」

「……なんで、たびたび幽霊が出るんだ」

「夏なので。
 昨日、寝る前に、テレビでやってましたしね」

 ぽすと二人で見て怖かったです、と思いながら、鈴は懲りずに続きを話す。

「そうだ。
 暗いから霊が出るんだ、と思って、私と尊さんが電気をつけようとすると、なんか恰幅のいい偉そうな人がやってきて、

『お前が幾ら清白の長男だからって。
 私の目の黒いうちは、オフィスの電気はつけさせないっ!』

 って言うんですよ。

 ――あれが支社長ですか?」
と尊に訊いて、

「待て。
 それ、お前の夢だろうが……」
と言われる。
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