というわけで、結婚してください!



 どうしよう。

 鈴はその浴室を前に困っていた。

 ヴィラの一階には、湖側がガラス張りになっている立派な浴室があった。

 大きな窓を全開にしたら、ほぼ露天のような感じになる。

 入りたいっ。

 どうしてもっ。

 ゆったりお湯に浸かって、手足を伸ばして。

 窓の外に植えてある艶やかな花の香りを嗅ぎながら、疲れを癒いやしたいっ。

 鈴はそう熱望していたが、それにはひとつ、困ったことがあった。

 まだコルセットが外せていないのだ。

 風呂場から広い居間に戻ってくると、こちらも窓を開け放してあった。

 尊は黒いラタンチェアに腰掛け、新聞を読みながら、冷蔵庫にあった炭酸水を飲んでいる。

「どうした?」
と、そろ~っと戻ってきた鈴に気づき、訊いてきた。
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