絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
共に過ごした時間はたしかにあったはずなのに、それよりも祖父母の家で過ごした記憶ばかりが先行して、思春期っていうのもあったけど、一緒に暮らし始めても自ら壁を作っていたのかもしれない。

次々と運ばれてくる料理はどれも絶品で、笑顔がこぼれる。他愛ない話をしながら和やかな時間が流れていく。

話をするのは、食後のデザートの時でいいよね。その時にふたりに用意したプレゼントも渡そう。

バッグに中に入っているプレゼントをチラッと見て、料理を楽しんでいると、ふとお母さんが嬉しそうに言い出した。

「それにしても麻衣子も困った子よね。岳人君と同じ職場で働きたいから、専門学校を出た後に、大学に行きたいなんて言い出したんでしょ?」

「――え?」

思いがけない話に、手にしていたナイフとフォークを持つ手が止まる。

「上杉不動産に入りたいと聞いた時、母さんと納得したんだ。麻衣子から大学に行きたいと聞く少し前だからな、岳人君が介護事業部を立ち上げたのは」

「なにも同じ道に進むために勉強することなかったのにね。あなたたちが幼い頃から、上杉さんと話していたのよ。ふたりが大きくなったら結婚してほしいわねって」

ちょっと待って。お父さんもお母さんも勘違いしている。
< 147 / 272 >

この作品をシェア

pagetop