絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
手にしていたバッグの中から化粧ポーチを取り出しながら入ると、鏡の前にはまさかの先客がいた。
足は止まり、視線が釘付けになる。だってメイクを直していたのは、磯部さんだったのだから。
しかも彼女以外いないという、非常に気まずい状況に踵を返したくなる。
だけどそれは叶わず、私に気づいた磯部さんがメイクを直しながら口を開いた。
「どうぞ」
自分の荷物を端に寄せる。これは逃げられそうにない。
「……すみません、ありがとうございます」
彼女と並んで立つものの、この前のことがあり、非常に居心地が悪い。今すぐにでも逃げ出したい。……でも。
チラッと磯部さんを盗み見る。
磯部さんは私に、上杉さんが好きだと言った。私には渡さないと。それにこの前だって、私のせいで上杉さんとの食事を台無しにしちゃったよね。
私はまだ磯部さんに自分の気持ちを伝えていない。
なにより私も上杉さんのことが好きだと気づいた。その思いは強くなっている。
まだ彼のことを好きになって日は浅いし、私は磯部さんほど完璧な女性じゃない。むしろ欠点だらけだと思う。
だけど上杉さんを想う気持ちでは、負けたくない。
自分を奮い立たせ、声を上げた。
「あの……少しいいでしょうか?」
足は止まり、視線が釘付けになる。だってメイクを直していたのは、磯部さんだったのだから。
しかも彼女以外いないという、非常に気まずい状況に踵を返したくなる。
だけどそれは叶わず、私に気づいた磯部さんがメイクを直しながら口を開いた。
「どうぞ」
自分の荷物を端に寄せる。これは逃げられそうにない。
「……すみません、ありがとうございます」
彼女と並んで立つものの、この前のことがあり、非常に居心地が悪い。今すぐにでも逃げ出したい。……でも。
チラッと磯部さんを盗み見る。
磯部さんは私に、上杉さんが好きだと言った。私には渡さないと。それにこの前だって、私のせいで上杉さんとの食事を台無しにしちゃったよね。
私はまだ磯部さんに自分の気持ちを伝えていない。
なにより私も上杉さんのことが好きだと気づいた。その思いは強くなっている。
まだ彼のことを好きになって日は浅いし、私は磯部さんほど完璧な女性じゃない。むしろ欠点だらけだと思う。
だけど上杉さんを想う気持ちでは、負けたくない。
自分を奮い立たせ、声を上げた。
「あの……少しいいでしょうか?」