絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「それ、私も聞いたよー。なんでもイケメンで仕事もデキてすべて完璧な人なんでしょ?」

「俺も聞いた。たしか三十手前の最年少部長だって」

どうやら本社配属組で知らなかったのは私と石上君だけのようだ。みんなの話を聞き、石上君は目を輝かせた。

「うわー、すっげぇな! 俺たちのボスは!! ますます仕事するのが楽しみだな!」

そしてキラキラした目で私を見る石上君は、やっぱり憎めないキャラだと思う。

「うん、そうだね」

無邪気な石上君につられて笑うと、感じる視線。顔を向けると、いまだに大曽根さんから羨望の眼差しが向けられていた。

「あーあ、本当に有坂さんが羨ましい。私も介護事業部を希望したのにな。……まぁ、秘書課でも玉の輿は狙えるからいいけど」

ん? 大曽根さん、最後にボソッととんでもないことを言いましたよね?

玉の輿って、えっ!? 

私の隣に座っている石上君や他の同期の耳にも入ったようで、みんな口々に声を上げる。

「大曽根さん、玉の輿狙っているの?」

「マジか、すごいな」

「いや、でもうちの会社って重役はけっこう給料もらっているらしいぞ?」
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