絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
もちろんサボっている人はひとりもいない。

「人事部に感謝しないとね。麻衣子ちゃんとそしてあのムードメーカーの天然君を配属してくれたんだから」

そう言いながら絵里さんは私から離れ、少し離れた席で一生懸命パソコン作業をしている石上君を見た。

同じく配属された石上君は、天然ぶりを発揮してあっという間に介護事業部のムードメーカーとなった。

絵里さんと同期の男性社員が彼の教育係につき、私と同じように勉強の毎日だ。

緊張と不安でいっぱいだった。おまけに上杉さんが上司になっちゃったし。

でも実際に働いてみると、職場環境は最高だし、仕事はやっぱり楽しくて遣り甲斐がある。

それに部長である上杉さんには別室が用意されていて、専属の秘書がついている。大きな用事がない限りオフィスには顔を出さない。

同じ部署で働いているといっても、一日顔を合わせない日もしばしば。

もちろんメッセージでのやり取りはしている。でも勤務中に顔を合わせずに済んでいるおかげで、私はのびのびと仕事をすることができていた。
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