イケメンエリート、はじめての純愛⁇
孝一は注がれたビールを一気に飲み干した。
「私ができると言うんだから、できるんだ。
あれは誰に似たのか、一回言い出したら梃子でも動かぬ。
ま、あれに認めてもらう事は期待しない方がいいな。
でも、結婚は先にしなさい。
そして、一生をかけて、あれに二人を認めさせればいいんだ。
孫でも生まれたら、すぐに認めるさ」
「……はあ」
映司は違った意味で途方に暮れる。
宗一さんの許可を得ずに俺達は結婚できるのか…?
でも、孝一がそう言うのならそれでいいのかもしれない。
実の父親が頑固息子に対してお手上げなのに、俺達がどうにかできる問題じゃないのかも。
映司は一人で納得した。
納得したら、もう、完全に結婚モードだ。
孝一との話を一通り終わらせた映司は、自分だけの天使を探してみる。
咲子はお母様と一緒に、明智君の虜になっていた。
明智君の人心掌握術にまんまと嵌まっている。
あんなにうぶで純粋な心の持ち主の咲子が嵌まらないわけがない。
それにしても、映司以外に嵌まる咲子の姿は、映司からすれば悪夢以外の何物でもなかった。