イケメンエリート、はじめての純愛⁇


明智君はそう言うと、美都子の手を取って孝一の待つ場所へ歩いて行く。
映司はまた泣きそうになった。

美都子や咲子よりも先に、俺が明智君に惚れそうだよ…
なんて心の中で思いながら、映司は不機嫌に咲子の手を取った。


「咲子ちゃん、俺は怒ってるぞ。
明智君の事を、目をハートにして見てただろ?」


咲子は肩をすくめながら、差し出した映司の手を優しく握る。


「確かに明智さんは魅力的ですけど、私の王子様には足元にも及びません。
映司さんを超える人なんか、この世界を探してもいないですもの」


ライトアップされた神々しい日本庭園のせいか、それとも結婚を許可された安堵感からか、いや、咲子の甘い囁きのせいだ。

映司は早くあのホテルの部屋へ帰りたかった。
自分の嫉妬心が咲子を独り占めしたくてしょうがない。

それに咲子が望むのなら、今夜はあの乙女チックなお風呂に二時間だって入っていいくらいだ。



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