イケメンエリート、はじめての純愛⁇


「分かった… 決めた…
おじい様の言う通りにしよう。
でも、咲子ちゃんのお父様にはこれからも説得は続ける。
それは、俺のしたいようにさせて」


映司は咲子の目に浮かぶ涙を見て、さらに決意を固めた。
すると、今度は咲子が心配そうに映司に質問する。


「映司さんのお父様とお母様は、来られるかしら?」


「二人とも今外国に居るから、どうだろう。
来ないなら来ない方がいい。
特に母親に限っては、厳かな神社の結婚式って聞いただけで、アメージング!って叫び出しそうだから」


困ったように微笑む咲子を見て、映司は結婚へ向かって動き始めた時の流れを実感する。

でも、その伝統的な結婚式の詳しい事情は、今は聞かない事にした。
だって、孝一の話だけでもゾッとしたのに、咲子のオブラート無しの説明はきっとホラー以上の恐怖でしかないはずだから。

そして、今になってさっきの明智君の言葉が頭に響いてくる。


「映司さん、それってすごい事ですよ。
江戸時代のお殿様になったと思って楽しんでください。

僕達、EOCのメンバーもその日を楽しみに待ってますから」


映司はその明智君の言葉を振り払うように、きつく目を閉じた。
EOCのメンバーだけには、絶対に知らせるわけにはいかない。
それだけは何としてでも、阻止しなければ……



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