イケメンエリート、はじめての純愛⁇


映司は咲子に手を取られ、そのベンチに座らされた。
そして、咲子は公園の外にある自動販売機へ行き、缶コーヒーを二つ買って来る。

咲子はそれを映司に渡すと、まずは小さな声でごめんなさいと言った。


「映司さん、本当にごめんなさい。
今日のコーヒータイムは、ここで缶コーヒーでもいいですか?
ここだったら、30分くらいはおしゃべりができると思うので…

実は、私、恥ずかしい話なのですけれど、門限がありまして…」


「え、でも、咲子ちゃん、今は一人暮らしって言ってなかった?」


咲子は一つ頷いて、二つ首を横に振った。


「一人暮らしなのですけれど、高校生並みの門限があるんです。

まずは、そのお話から…

一人暮らしを始めたい私に、家族は猛反対をしました。
どうしても祖父が元皇族という身分なもので、私を取り巻く環境が私の自由を奪っていて、でも、私はどうしてもあの家から出て行きたくて…」


咲子はそこまで話して、一回我に返っている。
どこまでこの男性に話していいものか、必死に考えながら。





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