好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜

あれこれ考えてたら、どうも顔に出ていたらしく、薄めでジッと見つめられていた。

「本当に大丈夫か?」

「…う、うん」

コンビニで下着を買うつもりなんて言えない。

「……俺も出勤するから乗ってけ」

うっ…駅内のコンビニで買う羽目になりそうだ。

知り合いに下着を買ってる姿なんて見られたくないけど、これ以上断ったら、透さんの機嫌がますます悪くなりそうで、渋々頷いた。

駅まで彼が送ってくれて、駅内のコンビニで周りを気にしつつ下着を買った私は、その足で化粧品売り場を訪れたら、そこに、詩織さんも昨日と同じ服でスッピンに近い顔でいた。

「詩織さんもですか?」

「愛梨もなの?」

お互いに苦笑いを浮かべて、気まずいままメイクをさせてもらいインフォメーションに立った。

昨夜あの後、お互いに、何があったのかはあえて聞かないでおこうと判断した。

お互い、疲労が顔に出ているのだから…

昼過ぎ、私が一人になるのを待ってたかのように、突然、会いたくなかった人がやってきた。

「愛梨、久しぶり」

人の目もあるので、むげにはできなくて仕方なく

「棚部様、本日は、どうされましたか?」

笑顔が引きつる。

「そんなに、よそよそしくしなくていいだろう」
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