好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
「ご用件は?」
早く目の前から消えてほしい。
あんなに好きだと思っていた相手なのに、彼のどこを好きだったのか思い出せない…もう、過去の人だ。
「話があるんだ」
「私にはない…わ」
「[lodge]だっけ?そこでずっと待っててもいいんだぜ」
ビクッと反応した私の側まで近寄り『よく待ち合わせをしてた店で待ってる』と、ニヤついていなくなった。
緊張がぬけ、膝がガクッと崩そうになるのをテーブルに手をついてなんとか踏んだった。
あの口ぶりから、私が[lodge]に通っていると知っている。
どうして知っているのか気になる…
今更、彼は、何を話したいんだろう?
宏人に会いに行かなければ、[lodge]で私を待つ気だ。
それだけは避けたい私は、渋々、宏人と待ち合わせに使っていたお店に向かった。
「休憩中だから用件は手短にお願いします」
宏人の前で座りながら、オーダーを聞きにきたスタッフにホットコーヒーだけを頼んだ。
「別れた男でも、もう少し愛想良くしろよ」
「あんな別れ方をして、愛想良くなんてできない」
「あの時は、悪かった。俺は、どうかしてたんだ。ほんのでき心だったんだよ」
とてもそんなふうには見えなかったけど…
話を長引かせたくない私は、聞き流した。