嫉妬深いから

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「えっ、何でわかるの、そんなこと。」

私は首をかしげる。

「俺の愛情は重いんだよ。」

氷がだいぶ溶けたバーボンを飲み干して、彼はお代わりを頼んだ。

新しく来たお酒を一口飲んで、彼はまた続ける。

「今までは、俺も結構ドライでさ。

嫉妬とかされても、自分で経験したことがなかったから、面倒だと思ってた。」

「ふーん。まあ、男の人ってそうだよね。」

私もちびちび、スクリュードライバーをなめる。

…ん?今までってことは。
今は、彼女ができたのか?!

「ちょっと…」
「彼女はできてない。」

先回りして言われる。
私はホッと息をつく。

自分が嫉妬深いから、誰かの彼氏や妻帯者である男性とは、決して二人で飲みに行かない。

誤解でも、彼女さんや奥さんに、苦しい思いはして欲しくない。

彼とも、飲み友達になるときに、固く約束している。

お互いに彼氏彼女ができた場合は、決して二人きりで会わないと。





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