恋愛零度。

昼休み。

教室にいづらい私は、チャイムが鳴るのと同時に教室を抜け出す。

その途中にある自販機で、パックのカフェオレを買ってから、いつものように中庭に行く。

ボタンを押そうとしたそのときーー、

「今日はアオイのオゴリなー」

と、うしろから、男子の声が聞こえてきた。

「えぇー」

「えーじゃねえ。さっき負けただろー」

「しょうがないな」

声だけを聞きながら、鼓動がはやくなるのを感じた。

……アオイ?

私はその名前に動揺して、慌ててボタンを押した。

ガコン、と受け取り口に落ちてきたパックを手にとって、はやくその場から離れようと思った。


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