【短】回覧板~小さな繋がり~
玄関前の3段くらいの階段を下りたとき
「うひゃっ」
脱げた……。
しかも片足だけ。両足ってのもおかしいかもだけど。
もっとちゃんと履いてくれば良かったな…。
頑張って足だけで跳んで行ったサンダルを引き寄せる。
よしよし、来た。
横向きのサンダルに足を通そうと頑張ってみる。
あー、もうっ!!
言う事聞かないサンダルだなー。
おいっ、もっとこっち向きなんだって!!
さすがに声を出してサンダルに話しかけるのはハズいから心の中で話す。
って、結構あたしキショい?
「もぅっ!!」
イライラが募り、サンダルを蹴り上げた。
このサンダルキラーイ。
―――「ぶっ!」
はぁ!?今笑ったの誰!?
失礼ーー!
って祐君!
「なにしてんの?」
やっぱりカッコいい祐君は
『○付け忘れた』って言っても迷惑そうにはしてなかった。
あー良かったよぅ……。
ちゃんと会話もできてたし。
キライって言ってごめんね?
あんたのおかげかもね。
心の中でサンダルに謝った。