【短】回覧板~小さな繋がり~
あーもう、
ホントにこんなこと考えるのやめよ……。
せっかく午前で学校終わったんだから
今日中に提出物仕上げよーっと。
やっと気合を入れてシャーペンを強く握った時、
―――ピーンポーン♪
って……
もーう!だれよ!?
めんどくさいと思いながらもドアを開ける。
「はぁーい。」
「あ、美鈴ちゃん。
学校は?」
「今日は午前だけだったんで…。」
「そーなの?
じゃーはい、これ。」
「ありがとーございます」
「受験がんばってねー」
「はーい。」
ドアを閉めてため息。
『頑張ってね』って……。
今頑張ろうとしてたのに。
ま、裏のおばちゃんは悪くないけどさ。
裏のおばちゃんが持ってきたのは回覧板。
はぁー。
これ持って行ってから頑張るか。
玄関にあった健康サンダルを
ザリザリ引きずって祐君の家まで来た。
―――ピーンポーン♪
あ。
押してすぐ気付いたけど、
平日って誰もいないじゃんっ。
ドアの方にでも置いていくか…。
そう思って腰を曲げた瞬間。
「はーい。」