オトナの事情。
「いや、ユキ、盛り過ぎでしょ!」
そう笑ったのは、悠二。
…あれ、ちょっと待て、これ、もしかして?
「みんな大好きるーなちゃんがそんなわけ!ていうか俺、バラエティで共演したことあるよ~めっちゃ良い子じゃん!」
うーん、隼人さんはルナの予想とはちょっと…
「まあでも、ユキがそんな喋るなんて珍しくね?心配したけど楽しそうで良かったわ。」
いや、あながち間違ってないじゃないか。
「ほんまや~、なんだかんだ楽しんどるくせに何贅沢言うてんねん!あのるーなやで!るーな!なあ?
…ってコンは何調べてんの?」
「いや、どんな子だったかなぁと思って。狭間ルナ。」
…健ちゃんのセリフも、コンの調べ物も、これ、当たりだろ?
え、じゃあ、え?
…嘘だろ。
「ははっ。」
「ん?ユキ、どうした?」
「いや…なんでもないよ。」
俺の負けだな。
そう思って、ポケットの中の30円にそっと触れた。