オトナの事情。
「無理しなくていいから……俺には、ちゃんと、弱い所も見せてよ…」
ルナはそれ以上何も言わずに、抱きしめた俺の背中に自分の腕を回した。
『もう。…ユキ君のくせに、カッコつけすぎだよ。バカ。』
「…ルナのためなら、いくらでもバカになるよ。」
腕の中で小刻みに揺れるその身体は、ちゃんと捕まえておかないと消えてしまいそうなくらい、儚くて。
俺と同じ、メンズのLだと言うその背中は、びっくりするくらい、小さかった。