オトナの事情。
一通り有名なアトラクションを回れば、すっかり日も暮れている。
「レストラン、予約してあるんだよね。もう御飯食べれる?」
ちょこちょこと買い食いをしていたので心配になって聞くと、大丈夫!なんて喜んでくれる。
『なんだか外国みたい~!…今度は旅行にも行きたいね。』
無邪気に笑う彼女には、当然のようにうんと応えたけれど、ルナの中では次もあるってことかな、と胸が高鳴る。
お店の人には何も言っていなかったものの気を回してくれたのか、俺たちの周りの席には他のお客さんを通さないでくれた。
「じゃあルナ、お誕生日、おめでとう。」
ワイングラスを掲げれば、ありがとうと言ってグラスを鳴らす。
少し横を向いてワインを飲む姿も絵になって、もう俺は、ルナに完全に魅せられてしまってるんだ。