溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~

避けているのは自分だというのに、顔を見たいと瞬間的に考えた自分に驚きつつ、トライリンクへ来ることは伏せておいてほしいと頼んだ。片瀬の会社だと聞けば、優花が首を横に振るかもしれないと思ったのだ。

会社の前に現れた恵麻を咄嗟に社用車に押し込めたのは、自分の薄汚い思惑の一片を優花に見られたくなかったから。
同居を提案した理由が、恵麻を遠ざけるためだったと優花に知られたくなかった。

自分がなにをしたいのか、どうするつもりなのか、片瀬は自分でもよくわからない。

自分の言動のひとつひとつを説明できず、それが片瀬を動揺させていた。


「では社長、このままAGキャストへ向かいますが、よろしいでしょうか?」
「いいよ」


首を後ろに捻り確認する倉田に、片瀬は頷いた。
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