風が吹いたら
まわり全体の暗闇から次第に薄い黒・・薄い灰色・・

といった具合に色が変わりだし、最終的には全体が

白に近い光のような中に僕は立っていた。

暗闇から抜けたせいなのか、明々な光で自分の姿が

あってないような感覚だ。

そして不思議なことに、何もないこの空間に 

ある映像が見えてきた。

それはテレビや映画で見る物理的なスクリーンではなく

頭の中で見るような

不可思議な映像となって勝手に流れ始めたのだ。

その映像には、ある1人の人物が 

生まれてから大きな人生の節目ごとに

動くアルバムのような形で映し出されていた。
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