クラスメイトの告白。


親には、クラスの女の子の家に泊まると嘘をついた。


彼をひとりにできなかった。


朝までそばにいようと思った。


電話を終えた私は、彼のいる部屋に戻る。


彼は眠っているみたいだった。


部屋の明かりを消して、私は布団の上に座った。


部屋の窓から夜風が入ってくる。


今日は、月が明るい。


「……っ、茉雛」


寝言で彼は、白石さんの名前を呼んだ。


彼女が恋しい……?


「……恋しいに決まってるよね」


つぶやいた私は、彼の汗ばんだ手をそっと握りしめる。


ごめんね、伊原くん。


ここにいるのが私じゃなくて、白石さんだったらよかったのに。


「私で……ごめんね」


なんで、こんなに胸が苦しいんだろう……。


彼の手を握りしめたまま、私は布団の上に横になった。


彼の隣で眠るなんて、許されないのに。


彼には、大切な彼女がいるのに――。
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