クラスメイトの告白。


私は、再び図書室に戻る。


すると、緑河くんは腕を前で組んで本棚に寄りかかり、伊原くんを冷めた目で見ていた。


そんな緑河くんの視線を気にもせず、黙々と本の片づけをしている伊原くん。


「あ、風杏」


ニコッと私を見る緑河くんに、私はため息をつく。


「緑河くん、いつか罰あたるよ?」


笑顔でごまかす緑河くんにあきれながら、私は伊原くんへ視線をうつす。


「伊原くん、本の片づけありがとね。続きは私がやるから、もう帰っていいよ」


「ここまでやったら、終わるまで手伝う」


ボソッとつぶやいた伊原くんを見て、私は笑顔になる。
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