クラスメイトの告白。
赤西さんが図書室に行ったのは、白石さんの事故が起きたあとだった。
緑河くんが赤西さんと会っていないという話も、つじつまが合う。
赤西さんが一方的に緑河くんを見かけただけだった。
「誰もいない図書室で、暖房はつけっぱなし、窓も1ヵ所だけ不自然に開いていて、寒いから閉めようと窓に近づいたとき、雪の上に女子生徒が倒れているのが見えた。それで急いで下に向かった」
「女子生徒ってことは……上から見たときは、まだ白石さんだとわからなかったんだね」
「うん。グラウンドには緑河や何人か人が集まってて“校舎から落ちた”、“落ちたのは2年の白石茉雛”って騒ぐ声が聞こえた。だけど、白石さんのところには近づけなかった。集まっている人の中に、黒河内の姿が見えたから」
伊原くんが言っていた。
白石さんの事故の第一発見者は、黒河内先生だったと。
「黒河内を見ただけで、体が震えて怖くて……あいつに見つかる前に、すぐにその場から逃げたんだ」