クラスメイトの告白。
そのとき、誰かが部屋のドアをノックした。
私はあわてて腕で涙をぬぐい、床にひろげていた雑誌を本棚に片付けた。
「はい」
返事をすると、ドアからお母さんが入ってきた。
「最近この曲ばかり聴いてるのね。流行りなの?」
「うん、まあね……“song for you”っていう歌」
うちの両親も世の中の流行には疎いほうで、ムーンライトのことも知らないようだった。
「いまの若い子たちの歌や流行についていけなくなったのは、私もすっかりおばさんになった証拠ね」
そうお母さんは言うけど、娘の私は若くても流行についていってない。
ムーンライトは、伊原くんのことがあって好きになったけど……。
私はすでに、おばさんなのか?
「風杏、顔が赤いわね」
お母さんの手が、私の額に触れる。
「熱あるんじゃない? 体温計で熱計りなさい」
「そういわれると、なんだか体がだるい気もする」