クラスメイトの告白。


体温計で熱を計ってみると、37.8度だった。


「病院に行かなくていいの?」


「平気だよ」


「それなら、横になって休みなさい」


「うん」


ベッドに横になった私に、お母さんは布団をかけてくれた。


「この音楽は、かけたままでいいの?」


「うん、そのままでいい」


「本当に好きなのね。このバンドのライブとかないの?」


「ライブ……そのうちあるかもしれないけど……」


「友達誘って行ってきたら?」


そうだ、ライブ。


ライブに行けば、伊原くんに会える。


テレビの画面越しじゃなくて、ラジオから聴こえる声じゃなくて、雑誌の写真じゃなくて、彼の姿を見ることができる。


二度と会えないわけじゃない。


「ありがとう、お母さん。ちょっと元気出た」


「明日は風杏の誕生日なんだから、ゆっくり休んで早く元気にならないとね」


お母さんの優しい微笑みにうなずいた私は、そっと目をとじる。


明日は、私の18歳の誕生日。


休日で、明日は学校も休み。


毎年のように、今年も家族にお祝いしてもらえるのかな。


ケーキやごちそうが食べられるのかな……楽しみだな。
< 348 / 372 >

この作品をシェア

pagetop