クラスメイトの告白。


「なんか風杏、かわいくなったね」


思わずドキッとしてしまった。


さすが、女の子の扱いに慣れてる。


「はいはい、ありがとね」


「本気で言ってるのに。彼氏でもできた?」


「……恋のひとつもできないまま卒業しそうですけど」


「だからぁ、俺とデートしようって」


「肩の手、離してくれるかな?」


「やだって言ったら?」


そう言って緑河くんは、ニコッとする。


「もぉ~。デートする女の子なら、ほかにたくさんいるでしょ?」


「まぁ、来るものは拒まないけど。平和主義だから俺」


それって平和主義なのか?


ちがう、こんな話をしてる場合じゃない。


緑河くんのペースに振り回されてる。


早く本題に入らなくちゃ休み時間が終わっちゃう。


「あのさ、緑河くん」


「ん?」


「2年生のときって図書委員やってたよね?」
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