クラスメイトの告白。


神社からの帰り道、茜色の夕日に照らされた田んぼの景色を眺めながら、自転車を走らせた。


伊原くんは普段、アルバイトで忙しいようだった。


放課後もすぐに教室からいなくなるし、この土日も休む暇なく働いているという。


どこでバイトしているのかは教えてくれないけど、この田舎町で高校生が働けるところなんてあまりないような気がする。


電車やバスで、少し離れた町まで働きに行っているのかな。


明日はバイトが休みだと聞いている。


だから明日の放課後は、伊原くんのアパートで話をする予定だ。


緑河くんから聞いた話も、そのときに報告することになっている。


なのに、どうして……ここに来てしまったんだろう。
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