クラスメイトの告白。
真っ暗な部屋にパッと明かりがついた。
帽子を脱いだ彼は、金色の髪をかきあげる。
学校で普段見ている変装した伊原くんではない、本当の姿。
いまもまだ慣れない。
「さっきの車って……」
「あー、仕事先の人」
「送ってくれるなんて優しいね」
「遠いからな」
やっぱり遠くまで働きに行ってるんだ。
足を伸ばして床に座った私は、拳でトントンと自分の両足をたたく。
ドアの前で座って寝ていたせいか、足がジンジンとしびれていた。
窓を開けた彼は、私の隣に座る。
「バイト先って、どこなの?」
「それより汐野……」
そう言って彼は、いきなり私の肩にもたれてきた。