I Still Love You
お互いのこと
週明けのいつもより早い月曜日、久々に穏やかな気持ちで入れるのは、昨日の時間があったからかもしれない。
日葵はそう思いながら、電車の外を見ていた。

まだ誰もいないフロアに入ると、備品のチェックや、清掃の確認をする。
少しでもみんなの仕事を減らすべく、日葵は自分のパソコンを立ち上げた。

プレスリリースまで2カ月を切り、大手ゲーム機メーカーからも発売されるため、接待のや会議の予定なども多く組み込まれるようになってきた。

そうなると、やはり壮一が出席することも増える。

(こんなに会議や接待が入っていつ眠れるのよ……関係ないけど)

壮一のことを考えたくない気持ちと、どうしても気になってしまう自分に、日葵はため息をこぼす。

昨日、崎本との楽しい時間を過ごし、壮一のことを考えないようにしようと心に決めても、嫌でも考えなければいけないこの状況はどうしようもない。
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