スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
そして、日曜日。
朝の早めの時間に会ったものの、私達はどこに行くとか全く思いつかないまま、ずっとカフェのソファに並んで座って話していた。
「ねぇ、湊」
「ん?」
「ええと……」
「なに? どうしたの?」
言い淀む私を、湊は間近に覗き込んでくる。
「……その……、今も……会ってる? ……友香さん、と」
友香さんの事は、ずっと気になっていたけれど、湊の話に友香さんは全然出てこなかったし、私もなんだか怖くて、結局、昨日は聞くことが出来なかった。
湊は、私の手を軽く握って穏やかに微笑した。
「……会ってないよ。最後に顔合わせたのいつだったかなぁ……あれからほとんど会ってない。ずっと入院してるんだ。
千紗は会いに行ったり、外出許可とって連れ出したりしてるみたいだけど」
もう湊が友香さんに囚われていない事に安心する一方で、でも、今でも友香さんが入院したままだというのは、胸にずしりと重くのしかかってきた。
「とわは、大体全部知ってるんだよね?」
「……多分」
「動画投稿に使ったスマホの話とかも聞いてた?」
「……うん。聞いたよ」