スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
「桜庭くん。貸すのはいいけど、返しに来てよ。返してくれないなら貸さないよ」
私が桜庭くんを見上げて言うと、一瞬の間があった後、桜庭くんの両手で髪をわしゃわしゃとかき混ぜられた。
「ちょ、ちょっと?! 桜庭くん」
「あぶね。ふつーにキスしたくなった」
「意味わかんないよ」
私がぐちゃぐちゃになってしまった髪をほどくと、髪をぐちゃぐちゃにした張本人の桜庭くんは、ちょっと楽しそうに私の髪を手で梳いてくれる。
「ねぇ、ノートちゃんと返しに来てね?」
「……判ったよ」
こんなやり取りを、あの桜庭くんと毎日の様に教室前でしていたのだ。相当目立っていたのだろう。
その代償は、夕方の部活の時間にやってきた。
「瀬川さんって、いるかしら?」
ツンっとすました女の人の声が書道室に響いた。
珍しく書道室に居た全員が”書くモード”に入っていただけに、全員の視線が入口に集まる。
書道室の入口に立っていたのは、私が見たことがない女子生徒だった。上靴のラインは赤。3年生だ。「いるかしら?」 と訊いておきながら、その視線はずっと私を捉えているから怖い。
私が桜庭くんを見上げて言うと、一瞬の間があった後、桜庭くんの両手で髪をわしゃわしゃとかき混ぜられた。
「ちょ、ちょっと?! 桜庭くん」
「あぶね。ふつーにキスしたくなった」
「意味わかんないよ」
私がぐちゃぐちゃになってしまった髪をほどくと、髪をぐちゃぐちゃにした張本人の桜庭くんは、ちょっと楽しそうに私の髪を手で梳いてくれる。
「ねぇ、ノートちゃんと返しに来てね?」
「……判ったよ」
こんなやり取りを、あの桜庭くんと毎日の様に教室前でしていたのだ。相当目立っていたのだろう。
その代償は、夕方の部活の時間にやってきた。
「瀬川さんって、いるかしら?」
ツンっとすました女の人の声が書道室に響いた。
珍しく書道室に居た全員が”書くモード”に入っていただけに、全員の視線が入口に集まる。
書道室の入口に立っていたのは、私が見たことがない女子生徒だった。上靴のラインは赤。3年生だ。「いるかしら?」 と訊いておきながら、その視線はずっと私を捉えているから怖い。