スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】

「納得いかない顔してるね」

「……まぁ」

「確かにねー。抱き合ってたとか言ってたしね」

 そうなんだよね。すっごい笑顔でぎゅうって…… 思い出したらため息が漏れた。

 桜庭くんに好きって言われたのが嬉しくないわけじゃない。あれを知らなかったら、きっと素直に好きだって返せたのに。

 それに。練習試合を見に来ていた子達や、羽純が話してくれる桜庭くんのファンの子達も、怖い。

「ねぇ、はずみん」

「?」

「桜庭くんのファンの子って、いっぱい居る?」

「えー……どうかなぁ。うちのクラスの子達は、隣のクラスだから余計っていうか、ほら、うちら体育も一緒じゃん?」

 2クラスで合同の体育、言われて気付いたけれど、羽純のH組はG組とで2クラスになる。

「うちのクラスの男子達さ、何でか知らないけど体育に毎回本気なんだよね。だから、桜庭くんにだけじゃなくて、キャーキャー言ってる子は結構いるよ。実際、見てて楽しいしね。
 でもね、別に桜庭くん本人はファンサービスみたいなのするわけじゃないから。どんなに女子が騒いでても基本ガン無視だし、多分普段から特に女子と絡んでないよ、あの人。
 だからうちの学年でそこまで熱狂的なのはあんまりいないんじゃない? 妄想入ってる3年生の方が怖そう」

 ……妄想入ってる3年生。それは確かにすごく怖そう。桜庭くん、サッカーしてる時は本当にかっこいいから。
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