クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
翌日。
今日はトルシアンの定休日。朝から青々とした空が広がり色鮮やかな蝶が花から花へと飛び回っている。アンナは店が休みの日は一日中、分厚い古びた薬学の本にかじりついていた。天気のいい日は庭先にある大きな木の下で寝ころびながら読みふける。
(えーっと、リコリスの効能は、抗炎症と免疫賦活、解毒作用など……)
聡明なアンナは大抵の薬草名と効能、そして使い方などはボブロに買い与えられた本によって知り尽くしていた。サルベール講堂に通う学士と比べても引けを取らないくらいの知識と学があるというのに、講堂には高級貴族しか通えないのがもどかしかった。とはいっても薬学は幅広い。アンナは薬膳に使用し食養生する薬草についてはよく知っているつもりだったが、まだまだ知らないことも多く目下勉強中といったところだった。
(お父様が生きていれば私も今頃……)
考えても仕方のないことがまた頭を悩ませる。
今日はトルシアンの定休日。朝から青々とした空が広がり色鮮やかな蝶が花から花へと飛び回っている。アンナは店が休みの日は一日中、分厚い古びた薬学の本にかじりついていた。天気のいい日は庭先にある大きな木の下で寝ころびながら読みふける。
(えーっと、リコリスの効能は、抗炎症と免疫賦活、解毒作用など……)
聡明なアンナは大抵の薬草名と効能、そして使い方などはボブロに買い与えられた本によって知り尽くしていた。サルベール講堂に通う学士と比べても引けを取らないくらいの知識と学があるというのに、講堂には高級貴族しか通えないのがもどかしかった。とはいっても薬学は幅広い。アンナは薬膳に使用し食養生する薬草についてはよく知っているつもりだったが、まだまだ知らないことも多く目下勉強中といったところだった。
(お父様が生きていれば私も今頃……)
考えても仕方のないことがまた頭を悩ませる。