クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
『マーランダ施療院へ行ってくればいい』などとアンナを焚きつけるようなことを言ったがために、真実を知ったふたりの絆がやはり確固たるものになってしまった。益々自己嫌悪に陥り、ソフィアはイラついて仕方がなかった。

「ソフィア? あなた今、すごく怖い顔してるわよ?」

無意識にぎゅっと唇を噛み締め、無言で眉間に皺を寄せていると、ベアトリクスから怪訝に声をかけられた。

「えっ、あ……申し訳ございません」

ハッと我に返り、ベアトリクスを前にバツの悪い顔になる。

「ところで……」

ベアトリクスがしなびた髪の毛をいじりながら改まる。
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