クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
マーヤと他愛のない話をしながら部屋でしばらくしていると、先ほどジークの使いの者が湿布を持ってやってきた。それはケイヒ、シャクヤクなど多く薬草が使われていて上質で高価なものだった。磨り潰されて泥状になった薬草は油で軟膏のようになっている。これを薄紙に塗り付けて患部へ貼るのだ。
「さっき、痛めた足を見るジーク様の目、なんだかお医者様みたいでした」
マーヤにぽつりというと、あら、知らなかったのかい? というように目を丸くした。
「ウィルが去年、薪割りの時に腕を切ったんだ。そのとき、ジーク様が縫ってくださったおかげで腕をちょん切らずにすんだのさ。今は、退かれているけれど国王の座に即位する前は腕利きの軍医としてご活躍されていた方なんだよ」
(え、ジーク様が……軍医だった?)
捻挫をした足を見る目が素人ではないような気がしたが、それはやはり気のせいではなかった。
誇らしげにジークのことを語るマーヤから、ジークへ対する尊敬の意が伝わってくる。
国王と言えば、簡単に表舞台には顔を出さず、同じ空気を吸っていることですら恐れ多い存在。という認識があったが、どうやらこの国の国王は、ウィルが言っていたように一風変わっているようだ。
「さっき、痛めた足を見るジーク様の目、なんだかお医者様みたいでした」
マーヤにぽつりというと、あら、知らなかったのかい? というように目を丸くした。
「ウィルが去年、薪割りの時に腕を切ったんだ。そのとき、ジーク様が縫ってくださったおかげで腕をちょん切らずにすんだのさ。今は、退かれているけれど国王の座に即位する前は腕利きの軍医としてご活躍されていた方なんだよ」
(え、ジーク様が……軍医だった?)
捻挫をした足を見る目が素人ではないような気がしたが、それはやはり気のせいではなかった。
誇らしげにジークのことを語るマーヤから、ジークへ対する尊敬の意が伝わってくる。
国王と言えば、簡単に表舞台には顔を出さず、同じ空気を吸っていることですら恐れ多い存在。という認識があったが、どうやらこの国の国王は、ウィルが言っていたように一風変わっているようだ。