残念な堀井さん。
「高っいランチ、奢ってください。
そしたら許します」

勿論ねだれるものは、ねだる。
これも攻略法だ。

「喜んで!」と本当に嬉しそうな表情で和食?イタリアン?フレンチ?と並べ立てる。

本当に少年みたいな人だ。


結局、次に出向く店舗のある湘南エリアで海鮮丼をご馳走になった。

「もうちょっと贅沢してくれて良かったのに。
あ、これは?舟盛頼む?」

堀井さんはメニューを指差して私に見せてくる。
確かにランチタイムのリーズナブルな丼セットではあったけど私の胃袋には、5人前の舟盛を叩き込む隙間なんてない。
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