短編集



「あの、大丈夫ですか?」


そんな最高にかっこ悪い俺に嫌な顔ひとつせず、目の前の彼女は優しく微笑んで尋ねてくれた。


う、わ。やばい。
やばいやばいやばい!その笑顔やばいって!反則!

が、頑張れ俺……っ!


「大丈夫です。」


とかクールぶっちゃってさ。
内心ドキドキしまくりなのに、出てきた言葉も態度も、なんてかっこ悪いんだ、俺……。




「……あの、いつもここにいますよね?」


自己嫌悪から恥ずかしくて顔をあげられず俯く俺の頭上で、綺麗な澄んだ声が聞こえたかと思えば、目の前の彼女とパチっと目が合った。


「え?俺ですか?」

「い、いえ!その、変な意味ではなくて!」

「あ、はい」

「いつもここにいるなって、えっと、いつも思ってて!それで、ええっと、あのう……」


彼女が何かを必死に説明する。やけに慌てふためいて。
なんだかそれがまた、可愛くて。ああ、さっきまでの俺の心の中みたいだ。

思わず少し笑った俺に、彼女は頬をピンクに染めながらこう言うのだった。



「っ、あ、あの!」

「はい」

「お名前、教えてください!」




**明日はきみと友達になる
(嗚呼、なんだか。)
(ただ見てるだけの関係に終止符が打てそうな予感。)


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